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「猫が自由に走り廻れるような家を・・」と,獣医学者の御主人と奥様が笑顔で語りかけてきた.
敷地は430坪あまりの緑豊かな平坦地.この敷地のポテンシャルを最大限に生かすべく,御主人自ら植えたヒバ並木に沿って猫が日向ぼっこできる長い廊下とキャットウォークを設け,その廊下のうしろに全ての部屋を配置することで,猫の居場所を南側とすると同時に,ご夫妻が猫越しにてしおにかけて育てたヒバ並木を見通すことができる.
玄関横のゲスト用の離れは,母屋からL型に渡り廊下で折返すことで,程よい裏庭を作り猫の屋外リビング越に,桜の大木を望めるようになっている.母屋の三角屋根に対し,離れを方流れ屋根とすることで,三角と四角のファサードがカラ松の羽目板とともに,「猫と暮らす家」のシルエットを強調する.
完成後3年を経過し,内外の無垢材は あめ色に変わり,猫の引っかきキズとともに,ヴィンテージで昭和なたたずまいを醸し出している.