限りなくスクエアに近いレクタングルの平面は,極めて単純化されている。階段を中心に反転しただけのその明快な平面は,そのまま住まい手の明快なアクティビティを促す.
この単純化された平面では,「内と内を繋ぐ開口」「内と外を繋ぐ開口」「外と外を繋ぐ開口」が対比され,
さらには「内と内を繋ぐ吹抜」「外と外を繋ぐ吹抜」という縦軸を挿入することにより,住まい手が体験する風景は,
例えば「内と内を繋ぐ開口と内と内を繋ぐ吹抜と内と外を繋ぐ開口と外と外を繋ぐ吹抜を通して空が見える」といったような,幾重にも層化された幻惑となる.