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彼らはそれぞれに文化度の高いバックボーンを携えており,その熱意は私を突き動かすのに十分であった.
選び抜いた敷地は,緑景を遠方に望み四季折々の表情を住宅へと投映する.
住宅は上階に主室を持ち上げ,光と景色を獲得する.
内部に与えられた素材は,土を嗜む彼女の手から生み落とされる陶器に似つかわしい粗野なものであった.
宵の刻,宙に浮かべられたランプは緑景へと開いた硝子へ写像し,その数を増やす.
その光景は夜空からランプが下がっているようで,空間も意識も外部へと浸透し,伸延してゆく.
幻想的なこの住宅は彼らにとってのかけがえのない住むべき器となった.