この住宅は,従来の住宅が持っているプログラムの構築による生活への機能的寄与の探求だけでは役割が不十分であった.
施主が持つ”空気感”や”感性”を明確に表現する必要があり,洗練されたそれらの要素に対し建築がどのような表現で在るべきかを模索する計画となる.
様々なマテリアルやイメージを共有する中で
”無骨さと上品さの両立”という輪郭を探す事となり
それは建築という手法を用いて,身に纏う衣服を考えるような通常の建築よりも身体的に近い領域の設計となった.
施主ご家族の感性のおかげで,従来の住宅設計にはない,より自由な領域の設計が可能となった.
この身に纏う住宅が素敵な施主ご家族の生活に永く寄り添い豊かさをもたらす事を期待する.