札幌市中心部よりほど近い地下鉄駅至近の立地には,三間の間口しか許されない.
求められる機能を上手なテトリスのように組み上げると,そこには視覚的な息苦しさしか生れない.
そこでまずは平面的・断面的に機能のボリュームを隙間なくならべ重ね,そのマスに透明化させた矩形のボリュームとしての吹抜と半屋外のテラスを,必要機能を分断するかのように挿入した.
まるで下手くそに穴の開いたテトリスのように.
視線はダイニングから半屋外テラス,リビング,外部へと透過し,寝室からリビング,テラスへと抜ける.
何層もの透明な膜を縦横無尽に抜け,透過する視線に内と外という二項対立の感覚は薄れ,ここがどこであるかという感覚を失い,意識は遥か異世界へとトランスする.