「最後のパッケージデザイン」と,クライアントは語った.
総合的なパッケージ業を起業し,生涯をパッケージに捧げてきたひとりの男性とその奥様のための住宅である.
北海道の名山のひとつに数えられる手稲山の山頂を望む立地.
一年の三分の一ほどを船上で過ごされるご夫妻の国際感覚と手稲山をデザインのソースとし,クラシカルなコードと山中に存在する色彩のみで全体を構成した.
太陽がのぞくと木洩れ日のような陽光が差し、陰ると森閑とした山中のような景色が広がるこの住宅は,はたしてクライアントの大いなる人生に適ったのであろうか.