白に塗り込められたラーチ,グレーの木毛板,茶褐色のナラ,紺青に施釉されたタイル.
既存の様式から離れた表層は,素材同士ある種のヴィンテージ感を纏いながら調和し,
複雑な階層の中に散りばめられた様々な深青色やいくつかのランダムスリットは空間に韻律を与える.
また限られた開口からの自然光は,ややラフな素材と相まってニュートラルかつアンニュイな空気の質を形成している.和室もまた青黒色を纏い,禅を意識するのと同時に祖を慮る空間となった.
硬質な玄関扉の先には表層だけでは語れない,ある特異な空間が展開している.