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静かに切立った緑崖に対峙する住宅.
この住宅は二方向に大きな開口を持つ.一つは四季を楽しむべく穿たれた開口,もう一つは光を導く開口である.緑景には素直に開き,空景には中庭と吹抜を介して開いた.縦にも横にも閉塞的にならぬよう視線の抜けを確保し,その実現の為に空間を部屋として分節することをやめた.緑崖の庭,中庭,住宅という庭.中も外も庭と捉えたこの住宅は滞留する場所々々で見える景色も居心地も異なり,まさに回遊式庭園のような魅力を持ち合わせているのである.