旭川市の市街化区域の東端
空港から市内への入り口に位置する造成地での計画.
田園風景の先には大雪山系最高峰「旭岳」が鎮座する
ロケーションである.
古来より大雪山は
「カムイ・ミンタラ」(神の庭:アイヌ語)と呼ばれる聖地.
人々は山の平静とその自然の恵みに感謝し
そして繁栄を祈念する.
神々しい朝陽がいづるころ.
稜線のシルエットを浮かび上がらせ
季節の情景をゆっくりと照らしはじめる.
春,芽吹く花々の衣をまとう麓.
深緑の匂いを乗せた風が吹き下ろす爽やかな夏.
秋,撓わに実る金色の絨毯の上に広がる艶やかな紅葉.
そして,皮膚を刺す寒さの中,凛とした白銀の冬.
四季折々に見せる自然の表情を日々の生活にどう映し込むか・・・
家族の要望を一つ一つ紐解きプロットを進める.
「自然」と「住処」との関係は極寒地がゆえ距離感を生み
「快適さ」には凍てつく外気の遮断が優先される.
向上をたどる性能とともに隔たりが反比例していく鬱屈.
この地の個性と捉え情景と対峙し親和をこころみる.
先住の人々が共に奏でたこの情景を
家族の集う場に呼び起こさんと・・・