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新たに造成された新興住宅地.

経済設計と動線の効率を至上と考えた矩形の平面形を与えられた住宅が,ゆとりをもって区画された宅地に「ぽん」と置かれ,「残った部分があなたの庭です」と言わんばかりの景色が並ぶ.

クライアントは敷地内(それが住宅の内部でも外部でも)では外部からの目線を気にすることなく過ごせる生活を望み,同時に陽当りを望む.

計画地自体を「住宅」として俯瞰して全体感を捉えると,計画のアウトラインはおのずと浮かび上がる.

もうひとつの絶対条件が「チーク」の床.

「憂鬱になりますよ」と繰り返したが,クライアントは譲らなかった.
チークの床に憂鬱になりながら打合せを繰り返し,結果,クールでありながらもどこかフェミニンな印象の,クライアントの溢れる想いの詰まった住宅が誕生した.